2021年9月17日(金)

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「中国、TPP加盟を正式申請」
4年半前を思い起こした。米国離脱後初のTPP大臣会合、担当副大臣だった私は大臣代理で政府を代表して出席。1泊5日のチリ出張、出発直前に総理と打合せ、帰国後直接官邸に向かい総理に報告。前後合わせて緊迫の瞬間が続いた濃密な1週間強だった。この会合でTPP11推進が、すなわち米国なしでもTPPを進めることが、事実上決まった。キーパーソンのカナダ代表とは、フランス語も駆使して本音で話し合い続けた。締めくくりの合同記者会見で語った日本の推進に向けた明確な姿勢が、POLITICOという国際的に影響力あるメディアで内外に発信され流れができた。
11ヵ国の全体会合、ならびに10ヵ国の大臣と個別会談。加えて、より大きな枠組みの太平洋関係諸国国際会議も同時開催で、本当に慌しい現地チリ1泊2日だった。
この会合に向けて、米国離脱を受けて中国が関心を示すのではないか、という観測があった。一方で当時中国国内からはTPPはハイレベル過ぎて無理、との率直な意見表明を何度も聞いていた。結局この会合で中国の動きはなかった。
私は個人的に、ハイレベルのTPP経済圏と、ミドルレベルの中国経済圏が、それぞれ別々にかつ有機的に進化していくものだと考えていた。ミドルレベルの方が対象国・地域は圧倒的に大きいので、中国にとっては、ハイレベルを性急に求めずミドルレベルを拡大していくことが戦略かと考えていた。
今回の中国の行為の背景に、どのような感覚が存在するのか。しっかり読み解いていきたい。局面の変化なのか否か。ご示唆を頂ければありがたいです。
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