活動報告

2018年2月22日(木)

“あなたの成長意欲を刺激するキッカケマガジン”金融庁の庁内誌「FSA Future」2月号。若手2年目の女性編集長がインタビューをしてくださいました。率直にお話しました、いつもこんなことを考えています。ぜひご一読ください。

FSA Future Vol.4「チームFSA」2018年2月号

緊急特別企画:ロングインタビュー敢行

「仕事も、遊びも、バランスを。」
 越智 隆雄〔内閣府副大臣(金融担当)〕

『変化の20年 』

-越智さんは13年ほど銀行員を経験されていますが、銀行員時代と、政務として日々金融庁職員と接して いる現在を比較して、どのように金融 庁のイメージが変わりましたか。

まず、時代が違う。僕が銀行員として勤務していた80~90年代、金融とは完全な規制業種でした。当時の規制官庁であった大蔵省が、90年の バブル崩壊後、不良債権問題をどのように処理するかを頑張っていて、厳しい役所だ、というイメージ。一方で、2014年の9月から政務官と副大臣を3期やらせて頂いて感じるのは、金融自由化以降20年が経過し、まさに金融処分庁から金融育成庁へ、金融をどう育成するか、金融をツールとして経済をどのように成長させるかに取組んでいるということです。そのため、厳しい役所から、イノベーティブで前向きな役所へと、イメージが非常に変わりました。

-そうしたポジティブな印象は、 日々職員と接する中で感じるところ はありますか。

金融はあらゆる産業の中でおそらく最も変化がスピーディで、地理的な要因もあまり影響がなく、グローバル に変化が伝播していく業種です。そういうことを日々、職員の方々も気にしていて、これから日本の金融はどのように動いていくのかについて、一生懸命考えようとしているため、イノベーティブな雰囲気がこの役所の中に充満していると感じます。

『レギュレーションと イノベーション』

―金融庁職員にもっと伸ばして欲し いと思うことは、具体的にどういったも のでしょうか。

今まさに頑張っていると思います。 枠組みから話します。生活している中で新しい価値観を提示し、人々が「いいな」と思えば買ったり使ったりしていくvalue creator、その対極にあるのが、管理し問題の発生を防ぐregulator(=金融庁)。その間に居るのが僕ら政治家で、その定義はvalue setterとlaw maker。 僕らはvalue setterとして、あるべき社会像や必要なルール、といった価値観をセットし つつ、regulatorと共に、その価値観を文章にしてルール(=法律)に落とし込みます。以上を踏まえると、金融庁は、regulation、金融規制庁、金融処分庁であったところが今、金融育成庁として、一番対極にあるinnovationのことも理解しつつ、規制しているということに大きな価値があって、よくここまで変わったなと思うくらい、難しい仕事をしていると思います。なので、regulationとinnovationのよりよいバランスの取り方こそが、金融庁職員一人ひとりに求められる技、磨かなくてはならない技じゃないかなと。

『そこの障子を開けてみよ、 外は広いぞ』

-越智さんのような大局的な視点 やものの見方は、日々どのように 心掛けたり努力したりしていけば、養っていけるのでしょうか?

僕がやっていることは、現場に行く ということ。人と話すときは、一喋って九訊く、聞いたもん勝ちです。自分が見ていないものでも、相手のフィルターを通じて、教えてもらえるわけでしょ。

最近、凄く気に入った言葉は、トヨタの創始者の豊田佐吉さんの「そこの障子を開けてみよ。外は広いぞ」です。明治時代の人だから、海外のことを色々知って「自分が持っている価値観だけじゃなくて、色んな価値観があるんだ」と感じたんでしょうね。

僕はこれまで約40カ国に足を運び、様々な生活の仕方を見てきたけど、「色んな生活の仕方の中で日本の生活はどうなのか」と、常に、自分が今やっていることや、今いる場所を、相対的に評価しています。

例えば昨年末の中国訪問で感じたのは、中国人は皆スマホ決済をしているけど、その背景にあるのは、「お札は偽札が沢山流通しているから、キャッシュは受け取りたくない。」という価値観。他方日本は偽札がほとんどないから受取る。これも、お札に対する価値観の違いですよね。また、1月に訪問したエストニアは、キャッシュレスの社会になっていました。デジタル化が進んでいる根底には「隣の国からいつかまた攻められる かもしれない」という危機意識があり、 そうした場合にリアルなものは取られてしまうので、データ化して、自分の国以外にデータセンターがあれば、いくらリアルなものが剥奪されても自分の国は生き残れる、という価値観なんです。

『「遊び」のススメ』

一言で言うと、いっぱい遊んだ方がいい。色んな人と。遊びというのはルールがないので、仕事より遊びの方が人間力が養われるし、その中で色んな人のことを知っていくといいんじゃないですか。

僕の場合、普通に食事に行ったり、皆がカッコイイと思っている場所とか、お店とか、今流行っているところに行くことは好きですよ。ある一定量の人たちが関心を持っているところによく出掛けます。

『型にはまるな!』

-最後に、若手職員へのメッセージ をお願いいたします。

何しろ外を見て欲しいです。実際 行って欲しいし、外の人と喋って欲し いですね。

何故なら、現在の日本の人口は、 何も政策を打たない場合、2100年に は5000万人までに減ると予想されていて、それに伴い、日本経済の大きさ、世界におけるGDPシェアは小さくなる。そういう意味では外国人や外国の経済と、上手く付き合いながら 日本の社会を豊かにしていくことが、新たな課題、新たな命題としてもっともっと重大になってくる。ぜひ「そこの障子を開けてみよ。外は広いぞ」というのを若手の皆さんには言っておきたいですね。

もうひとつ言うとすれば、ワークライフバランスをしっかり保って、仕事・学び・家庭生活・冒険と、色々織り交ぜた人生を自分なりに形作っていく時代になると思うので、あんまり自分を型にはめない方が良い。政策としては、労働市場が分厚くなって、転職の機会が充分に確保できるような社会にしたいです。

人生100年時代という構想も出来ていて、必ずしも1つの組織に勤めきるのではなく、仕事を変えつつ、なる べく自分の健康を維持して、働けるところまで働く。その間、学んだり、冒険したり、そういう時代になると思っているので、そういう心持でいたら良いんじゃないでしょうか。

【越智 隆雄 × 仕事道具 = 「手帳」(issue×mystery)】

銀行を退職されて以降、手帳を付けるのが日課。その際、問題(=issue)と 神秘(=mystery)を分けるのが越智さん流。issueとは予見可能で解決できる問題を指し、mysteryとは予測不可能なこと。具体的には、過去やったことは詳細にメモに起こし、思い出す手間を無くしたり、予定や準備時間を割振って手帳に記入することにより、予見可能なもの(=issue)を準備し、それ以外のこと (=mystery)を楽しむとのこと。手帳含め、お財布や携帯電話等の最低限の活動のための15の道具(=issue)を持っているか、1日10回くらい確認するそうです。 「mysteryが多いほど不安だが楽しい。2月はシンポジウムや国会答弁が立込むからmysteryだらけだ」と笑顔で語る越智さん、とても素敵でした。

2018年2月18日(日)

国会開会から4週間目、国会対応が本格化する一方で、政策づくりにも全力投球。一週間の活動を振り返ってみます。
2月12日(月)は、沖縄で開催された政策シンポジウムにパネリストとして参加、仮想通貨やICOなど金融の最前線の課題について議論。2月6日(火)には東大で開催された“近未来金融システム創造プロジェクト”にもパネリストとして参加、最近金融に対する関心が高まっている、様々な議論を経験させて頂きありがたい、経済の成長と生活の安定や豊かさを実現する金融をつくっていきたいと思っています。
2月13日(火)午前、未来投資会議の構造改革徹底推進会合の「地域経済・インフラ」会合の農林水産業第6回。6月の成長戦略の策定に向けて、前年秋から約9か月間かけてかなり細かく50回位に亘ってヒアリングを開催、今回は「農林水産分野のSociety5.0の実現について」、日本で最先端の取組を実践している企業や研究者の方々から、日商の三村会頭ら有識者の皆さまとともに意見を伺い議論させて頂きました。私は担当副大臣として毎回出席、日本の“際”、現在の最前線(=限界)を考える上で極めて貴重な機会です。
2月13日(火)、午後から衆議院本会議、税制改正に関する法案について麻生財務大臣から趣旨説明があり、その後与野党代表からの質疑、所要約2時間半。4年前の2月14日、私がこの法案の代表質問に立ちました、その時を思い出しながら質疑に耳を傾けました。15日(木)には地方税法に関する本会議質疑、所要約2時間。
2月14日(水)昼、衆議院財務金融委員会が今期初開催、麻生財務・金融担当大臣としての所信表明演説、所要約10分。これに続いて16日(金)午前9時から同委員会において大臣所信に対する質疑、所要5時間。私は麻生大臣・黒田日銀総裁らと並んで出席し、金融分野ならびに経済政策に関する質問に対して答弁。同日午前中に日銀の総裁・副総裁人事案が政府から国会に提示されたためマスコミ多数。ちなみに、今回の答弁の要否が確定したのは前日夕方、答弁レク(=答弁案の打合せ)は同日朝8時台に実施。私は朝7時過ぎには永田町入り。国会開会中は日程が定まらない日々が続きます。
2月15日(木)午前中、都内某私立小学校6年生120名が議員会館に来訪、私から国際会議場で「小学生のための政治講座」約1時間。私は政治リテラシー向上がとても大切だと考え、これまでも小中学生や大学生向けに政治講座を数十回実施。昨年夏「おちたかおと国会に行こう!」に親子で参加された方から、同じ授業を学校の皆にもやってほしいと要望があり、今回実現。目をキラキラ輝かせて聞いてくれてありがとう!実は先月も某小学校6年生140名に授業と国会見学、公務の日程を縫って一所懸命引き続き取り組みます。
2月15日(木)夕刻には、官邸で生産性向上国民運動推進協会、経済再生担当副大臣として出席。
加えて、GDP4半期速報発表、種々の政策議論など、また、地元世田谷から選挙制度等政治改革を検討しているグループの方々が議員会館を訪ねて下さりました。
それに、講演などの情報発信活動の準備がピーク。来週から再来週にかけて、“社会的インパクト投資”、“デジタリゼーション”、“生産性向上”ならびに“相対的小国化対応”に関連したプレゼンなどが待ち受けています。しっかり頭を整理して、分かり易く発信していきたいと考えています。
あっという間の一週間が過ぎました。寒い日が続きますね。お身体にお気を付けください。

2018年2月7日(水)

みなさん、インフィオラータってご存知ですか?花びらを地面に敷き詰めて創るアート。昨日、第一人者の藤川靖彦さんが事務所に寄って下さり、オリンピックの聖火ランナーの通る道を花で彩りたい、と夢を語って下さいました。神宮外苑のいちょう並木にお花が敷き詰められた姿、想像するだけでワクワクしますね!


近未来の金融システムとは?

昨晩は、久々に東大の本郷キャンパスに。「近未来の金融システムとは?」がテーマ、パネリストとして参加しました。近未来金融システム創造プログラム15回シリーズの最終回総括討議90分。モデレーターのフィンテック経営者・赤井厚雄さんを中心に、ブロックチェーン専門家・斎藤賢爾さんと若手経済学者の安田洋祐さんと。キャッシュレス、仮想通貨、アンバンドリング・リバンドリング、高齢化、AI、リテラシー、究極には金融はなくなるか?!など。金融をとりまく議論の”際”について侃侃諤諤。大変勉強になりました、お誘い頂いた主催者の赤井さんに心から感謝します!

2018年2月2日(金)

昨晩、BSフジ・プライムニュースに出演させていただきました。番組サイトに動画がアップされましたので、ぜひご覧ください!
『黒字化延期と財政再建 成長か?消費増税か? 日本の選択肢とリスク』
内閣府は、1月23日の経済財政諮問会議で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化が従来試算の2025年から2年ずれこむとの試算を発表した。経済財政のスペシャリストたちを迎え、財政再建の道筋などについて考える。
・ゲスト
越智隆雄 内閣府副大臣(経済財政担当)
森信茂樹 東京財団上席研究員
野口 旭 専修大学経済学部教授
●こちらをクリックするとBSフジ・プライムニュースのHPをご覧頂けます。
突っ込み鋭い反町キャスターを中心に、約2時間の生番組。経済財政の政策担当者として一所懸命お話してきました。ぜひご覧ください。

2018年1月24日(水)

1月23日(火)15:20、今年初回の経済財政諮問会議、担当副大臣として出席。経済財政の中長期展望ならびに今年前半の議論すべき課題について議論。デフレ脱却、そのための賃上げ、財政健全化計画、世界的変化加速化への対応、society5.0本格稼働、全世代型社会保障、地域活性化など。計画的にかつ情熱を傾けて取組みます!

2018年1月23日(火)

今朝は9時から12時過ぎまで、日銀金融政策決定会合。昨晩の雪の影響が心配でしたが、新メンバーになってから4回目の会合は無事に予定通り開催。経済情勢や金融政策について議論しました。(写真は2017.9.21)

“おちたかおフォーラム”第59回勉強会

おちたかおフォーラム第59回朝食勉強会「2018年の展望:人づくり・生産性革命と総裁選」私から1時間お話させて頂きました。
少子高齢化が進むこの国が本当に成長できるのか?!この不安を真正面から受け止め答えを出すのが、人づくり革命と生産性革命です。人生100年時代を念頭に全世代型社会保障と全世代型教育学習の制度環境を整え安心な社会を築き上げる一方で、国際競争を勝ち抜くべくイノベーションエコシステムを創り上げる。この道しかない、この5年間でできた良い流れをさらに前に推し進めていきたい。1人でも多くの方に政策づくりの考え方を知って頂きたいと一所懸命お話しました。ありがとうございました。

2018年1月19日(金)

月例経済報告関係閣僚会議in官邸、経済財政政策担当副大臣として出席。景気判断は「緩やかに回復している」、7ヶ月ぶりの上向き変更で、この表現が使われるのは、4年前の消費税引上げ前の駆込み需要の3ヶ月以来、その前は2006年10月まで遡る。景気回復の実感がより確かになるよう政策づくりに励みます!

2018年1月19日(金)

青山学院大学 経済学部 金子ゼミの皆さんが政策づくりの現場見学に。仕事の合間をぬって、内閣府副大臣室、国会議事堂などをご案内。政治や社会に関心を深めてくれたかな...期待してます!

2018年1月18日(木)

IT社会実装が進んだ中国と電子国家エストニア、年末年始の出張の成果を踏まえ、未来投資会議の議論に臨んだ。
「グローバル化✖️デジタル化」によって世界の変化のスピードが加速中。日本が豊かな国であり続けるために、必要な自己改革を率先して実施すべき旨訴えた。

2018年1月17日(水)

同級生からのFBメッセージ「越智君が日経に載ってるよ」
確認したら7ページに。北京で12月に行われた日中政府間のパンダ債に関する書簡交換式の写真。パンダ債は日本企業が中国市場で発行する人民元建て債券、その発行を可能とするための仕組みづくり。これからも日中間で上手にWin-Winの関係をつくっていきたい。